以前書いたテーマだったりするのですが、もう一度考えてみました。
WILLCOM SIM STYLEとは、PHSのアンテナ・チップなどPHSとしての通信部分を切手大のサイズのカードに凝縮した「W-SIM(ウィルコムシム)」を利用するタイプの機種の総称です。PCカード型のPHSをずっと小型化したものと思っていただけると速いです。→WILLCOM SIM STYLE オフィシャルサイト
また、SIMを挿入して使う機種を、開発時の仮称「ジャケットフォン」から「ジャケット」と呼ぶ場合があります。
もともとはWILLCOMの前身であるDDIポケットが、PHS衰退による加入者減に伴い端末を供給してくれるメーカーが減ってしまったために開発したものです。PHSや携帯電話に関するノウハウがない会社でも「通信技術がなくてもこれを入れれば大丈夫」ということで端末を供給してもらおうと考えたのです。
しかし時代は移り、PHSはデータ通信に特化する形で進化しました。そして音声端末も業界初の「フルブラウザ搭載」端末を発売したりと、段々と復活の兆しを見せました。
そして再成長を見せ始めたDDIポケットは、その可能性を認めた米の投資会社によって買収されWILLCOMになりました。
さらに定額プランの開始もあり、一度は消えてなくなったかと思われたPHSは再び息の根を吹き返しているのです。
そしてSIMが商品化できるようになりました。予定された「苦し紛れ」の投入ではなく、「可能性を広げる技術」WILLCOM SIM STYLEとして。
SIMの抜き差しできるという特長を生かし、「気分やTPOで端末を変えられる」というのをウリにしています。
たとえば、普段は折りたたみ形端末で、ちょっとした仕事をするときにはPDA型端末に。おしゃれをしたいときにはカジュアルなデザインの端末に…といったところです。
これはきわめて革新的な技術だと思います。「1台であれもこれも」という方向で進化を続けている携帯電話のあり方に一石を投じる存在だと思うのです。もちろん一台で何でもできるのは便利です。しかしどれも中途半端なレベルの機能しか搭載しないのなら、いっそのこと特化した端末をたくさん作ったほうがユーザーにとってもいいはずです。少なくとも新たな選択肢としては。
しかしこれが成功するには壁があります。
一番大きな壁は「インセンティブ」です。ここではインセンティブについての詳しい説明は省略しますが簡単に言うと「携帯電話販売に際してキャリアから販売店に支払われる報酬金」のことです。販売店はあらかじめこの収入を見込んで、端末の価格を原価割れにして販売しています。
さて、SIM STYLEにとってなぜインセンティブが邪魔な存在なのでしょう?
それはSIM STYLEと通常端末においての大きな違いが関係しています。
通常の端末は一台につき一契約です。当たり前です。
しかしSIM STYLEに関しては、SIMについて契約をするだけです。一般に「端末」と思われる「ジャケット部分」は何の関係もないのです。
現在WILLCOMは、W-ZERO3においてW-ZERO3そのものの分にもインセンティブを出しています。ですがW-ZERO3を見る限りジャケットの買い増し(SIMへの変更・新規契約を伴わない)についてはインセンティブは出ていません。
ということは、将来新たなジャケットが出たときに、SIMを持っている人はSIMを持っていない人より高い金額を出して買わなければならないことになるのです。
ならば既にSIMを持っている人は、新規契約+即解約=(゚д゚)ウマーということになってしまいます。
新規契約+即解約は、ブラックリストに載ることもある危険なワザです。しかし正規の手段では、既存ユーザーは高い代金を払わなければいけないのです。
ん?これっておかしいですよね。これがインセンティブの矛盾なのです。
インセンティブはもともと「契約者を増やすため」の戦略なので、契約者数が飽和状態に近づきつつある現在の携帯電話各社はそろそろ廃止したいというのが本音です。しかし一事業者が行うと端末販売の際に割高感が出るため、他社に加入者が流れてしまいます。ゆえに簡単には導入できないのです。。かといって同時に踏み切れば独占禁止法に触れる恐れがありますし。
あくまでも私論ですが、SIMそのものに対しては全額インセンティブをつけ無料化し、ジャケットは新規・買い増しを問わずインセ0にすればいいんじゃないかと思います。んで、「SIM STYLE専用料金」と銘打って通常端末よりも一段低い料金を設定し、インセ削減の恩恵をユーザーに与えればどうでしょう?
インセンティブ廃止による効果を、効率よくユーザーに伝えることができると思うのですが。
少なくとも現在のように「新規ならなんでもかんでもインセつけます」という状態ではSIM STYLEはコケてしまうような気がして仕方がありません。
今のWILLCOMは革新的な技術を持っています。そして実現する力を持っています。
なので本当に期待しています。SIM STYLEが大成功することを。